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「私の名前の由来」 五年二組 本村 虹子

 
 私は自分の名前があまり好きではありませんでした。虹という漢字が好きではありません。虹は「むしへん」に工場の工と書きます。私は虫がきらいだから、自分の名前に虫が入っているのがいやでした。でも、名前の由来を調べる宿題が出て、自分の名前がどうして付けられたのかを知って、その気持ちは変わりました。
 虹子という名前は私のおじさんが考えてくれました。私の生まれた日の朝、空に虹がかかっていたからつけてくれたそうです。「あんなすごい風景見たことがなかった」とおじさんは言っていました。その虹は普通の虹と違い、まっすぐだったそうです。それは、環水平アークというもので、本当は虹ではないのですが、おじさんはそんなことを知らずに、七色に見えたから虹だとかん違いいしたそうです。かん違いして付けられた名前なのかと、最初はがっかりしました。まちがって付けられたのかと思って悲しくなりました。だけど、そのあとでおじさんは言いました。
「その空には他にも、月と太陽が浮かんでいて、まるで世界の全部がつまっているようだった」
 それを聞いて、なんだかうれしくなりました。月と太陽と虹が世界の全部だなんてそんなことあるわけないのに、私も世界の全部がそこにあったのだと思いました。そして、その一部を私につけてくれたんだと思うと、うれしかったです。虹ではなかったけど、虹子って名前を付けてくれて、私もこの世界の一部なんだと言ってもらえたみたいな気持ちになりました。おじさんは、私に世界をプレゼントしてくれたのだと思いました。だから、私は自分の名前が好きになりました。素敵な名前を付けてくれるおじさんがいて、私はとてもうれしいです。

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